【ロサンゼルス観光の穴場】タイムスリップ!?現存最古のマクドナルドが超レトロで別世界だった!

グルメ

ロサンゼルス旅行と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?ハリウッドの華やかなサイン、サンタモニカの美しいビーチ、ビバリーヒルズの高級住宅街…。どれも魅力的ですが、もしあなたが「人とはちょっと違う、ディープなアメリカ文化に触れたい」と考えているなら、今回ご紹介する場所は絶対に外せません。

舞台は、ロサンゼルス中心部から車で南東へ約20分。ダウニー(Downey)という街に、その特別な場所はあります。一見すると、どこにでもある郊外の風景。しかし、ある交差点に差し掛かると、誰もが知っているはずの“あのマーク”が、全く見慣れない姿で目に飛び込んでくるのです。

そう、今回ご紹介するのは、世界に現存する最古のマクドナルド店舗。ここは単なるファストフード店ではありません。古き良きアメリカの夢と歴史が詰まった、まさに「生きた博物館」なのです。

目を疑う光景!「M」じゃないロゴと謎のキャラクター

まず度肝を抜かれるのが、その外観です。私たちが知っている赤い背景に黄色の「M」のロゴ、いわゆる「ゴールデンアーチ」はどこにもありません。代わりにそびえ立つのは、巨大な片方だけの黄色いアーチ。空に向かって伸びるそのアーチには、ネオンで「McDonald’s」と書かれ、その下には信じられない文字が躍っています。

「Your Kind of Place… HAMBURGERS… We have sold 500 MILLION」

5億個販売達成!…今や世界で1日に何千万個も売れていることを考えると、その数字がなんとも微笑ましく、一気に時代を遡ったような感覚に襲われます。

そして、その巨大なサインの上でウィンクしているのが、この店のマスコットキャラクター。もちろん、あの陽気なピエロ、ドナルド・マクドナルドではありません。コック帽をかぶり、まん丸なハンバーガーの頭を持つ、その名も「スピーディー(Speedee)」。彼こそが、マクドナルドが全米に広がる初期のシンボルでした。名前の通り、注文から提供までの速さ「スピーディー・サービス・システム」を体現したキャラクターです。

この時点で、私たちの知るマクドナルドとは全くの別物。「ここは本当にあのマクドナルドなの?」という疑問と興奮が入り混じり、期待に胸を膨らませながら敷地内へ足を踏み入れました。

タイムカプセルのような店内と併設ミュージアム

このダウニー店は、1953年にオープンしたマクドナルド兄弟によるフランチャイズ3号店であり、現在運営されている店舗としては世界で最も古い歴史を持ちます。そのため、建物自体が文化遺産のようなもの。

驚くことに、この店舗には私たちが当たり前だと思っている店内の客席がありません。あるのは、ガラス張りの厨房に面したウォークアップ・ウィンドウ(対面式の注文カウンター)だけ。これは、車社会アメリカの初期のファストフード店の典型的なスタイルで、車から降りてカウンターで注文し、車内や屋外のベンチで食べるのが主流でした。

そして、この店舗の最大の魅力が、隣接されたギフトショップ兼ミュージアムです。一歩足を踏み入れると、そこはマクドナルドの歴史が凝縮された宝箱のような空間でした。

  • 歴代のユニフォーム: 50年代のシンプルなシャツから、70年代のサイケデリックな色使いの制服まで、時代のファッションの変遷をユニフォームから感じることができます。
  • 調理器具の展示: 当時、革命的と言われた8つのシェイクを同時に作れる「マルチミキサー」。マクドナルド兄弟の効率化への情熱が伝わってきます。
  • ハッピーミールのおもちゃ: 今ではコレクターズアイテムとなっている歴代のハッピーミール(当時はハッピーセットではなく、この呼び名でした)のおもちゃがずらり。自分の子供時代に集めたおもちゃを見つけて、思わず声を上げてしまう人もいるかもしれません。
  • ロゴやパッケージの変遷: 片アーチの「スピーディー」時代から、2つのアーチを組み合わせた現在の「M」のロゴに至るまでのデザインの歴史が一目瞭然。当時の紙袋やカップのデザインも、今見ると本当におしゃれです。

ガラスケースに並べられた展示物一つひとつに、物語があります。当時のレジスター、メニューボード、広告ポスター…。これらはすべて、マクドナルドが世界的な大企業になる前の、素朴で夢にあふれていた時代の証人です。インスタ映えするレトロなアイテムばかりで、カメラのシャッターを切る手が止まりませんでした。

いざ実食!歴史を感じながら味わうハンバーガーの味は?

もちろん、ここは博物館であると同時に、現役のマクドナルド店舗。歴史を堪能した後は、お腹を満たす時間です。

注文カウンターでメニューを見ると、ビッグマックやチキンマックナゲットなど、おなじみの商品が並んでいます。しかし、この特別な場所で食べるハンバーガーは、いつもとは全く違う味に感じられるから不思議です。

私たちはチーズバーガーとフライドポテト、そしてシェイクを注文。受け取ったトレイを持って、屋外に設置されたレトロな赤と白のテーブル席へ。カリフォルニアの青い空の下、50年代の面影を残す店舗を眺めながら一口。

味は、もちろん、いつものマクドナルドです。しかし、周りの風景、空気、そしてこの場所が持つ歴史という最高のスパイスが加わり、なんだかいつもより格段に美味しく感じられます。まるで、映画のワンシーンに入り込んだような気分。創業当時の人々も、こうしてハンバーガーを片手に未来の夢を語り合ったのかもしれない…そんな想像が膨らみます。

ちなみに、この店舗では限定のTシャツやピンバッジなど、ここでしか手に入らないオリジナルグッズも販売されています。ロサンゼルス旅行の最高のお土産になること間違いなしです。

なぜこの店だけが生き残ったのか?知られざる歴史

ここで少し、このダウニー店がなぜ「最古」として残ったのか、その歴史に触れておきましょう。

マクドナルドの歴史は、創業者であるマクドナルド兄弟と、フランチャイズ展開で帝国を築いたレイ・クロックの物語に分けられます。レイ・クロックは1961年にマクドナルド兄弟から会社を買い取り、その後、すべての店舗を彼の新しい基準に合わせて近代化していきました。

しかし、このダウニー店は、レイ・クロックが関わる前にマクドナルド兄弟と直接フランチャイズ契約を結んでいたため、彼の買収後も独自の契約によって独立性を保ち続けました。そのため、レイ・クロックによる近代化の波を免れ、オリジナルの姿を奇跡的に留めることができたのです。

しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。90年代には老朽化が進み、一度は閉鎖の危機に瀕します。しかし、「この歴史的遺産を失ってはならない」と、地域住民や歴史愛好家たちが立ち上がり、大規模な保存運動が展開されました。その声がマクドナルド本社を動かし、修復・保存が決定。1996年に、ミュージアムを併設する形でリニューアルオープンし、現在に至ります。

このダウニー店は、単に古いだけでなく、多くの人々の情熱によって守られてきた、まさに奇跡の店舗なのです。

まとめ:ロサンゼルスで最高の思い出を作るなら

ロサンゼルスのダウニーにある現存最古のマクドナルドは、ただハンバーガーを食べる場所ではありません。
それは、アメリカの食文化、デザイン、そしてビジネスの歴史を肌で感じることができる、唯一無二の体験型ミュージアムです。

片アーチのロゴ、スピーディーの笑顔、そして50年代の空気感。すべてが新鮮で、刺激的。世界で最も有名なファストフードチェーンの、知られざる原点がここにあります。

定番の観光地に少し飽きた方、アメリカのレトロカルチャーが好きな方、そしてもちろんマクドナルドファンの方。次回のロサンゼルス旅行では、ぜひプランにこの「ダウニーのマクドナルド」を加えてみてください。きっと、あなたの旅を忘れられない、特別なものにしてくれるはずです。


店舗情報

  • 店名: The Oldest McDonald’s
  • 住所: 10207 Lakewood Blvd, Downey, CA 90240, USA
  • アクセス: ロサンゼルス・ダウンタウンから車で約20〜30分。フリーウェイI-5を南下し、Firestone Blvdで降りるのが便利です。
  • 営業時間: レストランとギフトショップで営業時間が異なる場合があります。訪問前に公式サイトやGoogleマップで最新情報をご確認ください。
  • ポイント: 駐車場は無料で利用できます。写真撮影は自由ですが、他のお客様の迷惑にならないように配慮しましょう。

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